ホームシック・アルマジロ
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予告編
ヤマネの姪達の通う学校に、転校生がやってくる。アルマジロの次郎だ。しかし、慣れない環境に...
ネタを仕入れました。鋭意準備中です。参加される方は、紙(折り紙など)とハサミを用意しておいて下さい。出題の仕方によっては、ペンやプリンターが必要になるかもしれません。
※このネタの背後には、最近本を読んでいて知った、驚くべき定理が存在します。
本編
家でヤマネの姪達が集まり、相談をしています。議題は、最近やってきた転校生のことです。半月ほど前。ヤマネの姪達の通う学校に転校生がやってきました。アルマジロの次郎です。お父さんが山の天文台に転勤になって、外国から引っ越してきたのです。次郎はとてもシャイな子で、学校でもなかなか打ち解けません。慣れない土地で友達もなく、ホームシックのようになってしまっています。ますます殻に閉じこもってしまうのです。心配したヤマネの姪たちは、次郎を励ますために友達になろうとします。作戦会議をしているのです。今日は特に熱が入っているようです。チューズディが特別なネタを見つけてきたらしいのです。
チューズディ「あたしが本で調べたところによると、次郎の故郷には、おもしろいお菓子があるらしいよ」
チューズディの説明するところによると、次郎の育った国には、そこでしか育たない穀物があるそうです。お祝いの時に、その穀物から特別なお菓子を作って食べるのだそうです。
マンディ「なるほど、それを来月の次郎の誕生日にぶつけるわけね。学校で作って、みんなで食べるというのは良いかもね。みんなお菓子好きだしね」
鋭い目で皆を見回します。
他の姪たち「異議なーし!」
チューズディ「説明させて。まず、その穀物の粉をこねて、薄い生地を作るとある。これを切って、様々な形を作って焼いて楽しむそう。おもしろいのは生地を切るところ。生地を平らに折りたたんでから切るの。そして、このとき、大切なのは、切るのはただ一回、それも一直線にだけしか許されないということらしい。この一刀というのが、次郎の国では特別な意味を持っていて、祝いものには欠かせないことらしいの」
ウェンズディ「まだよく分らないけど、面白そうね」
サンディ「お菓子を見て、次郎ちゃん、ホームシックが酷くなたりしないかな」
マンディ「それはちょっと心配ね。でも、みんなで懐かしいお菓子を食べたら、元気になるよ、きっと」そのあとは、計画を立て、決行は次郎の誕生日、場所は、学校と決りました。
さて、次郎の誕生日当日です。それまでに姪達はリハーサルを重ね、次郎の国の焼き菓子について研究を重ねてきました。その成果が問われるのです。穀物の粉は、マンディが超級市場の輸入食品店に交渉して入手することに成功しました。姪達が驚いたことに、粉を文献通りの材料と混ぜ合わせこねると、コシがあるにも関わらず、容易く折り曲げることの出来る生地が得られるのです。そして、切ったあとに焼くと、ふくれて厚みのあるそれはよい香りの甘い焼き菓子が出来上がるのでした。
昼休みになりました。打ち合わせ通り、サンディが次郎をしばらく教室に足止した後、家庭科実習室に連れ出します。そこには、すでに他の一組・二組全員の生徒達が待っています。次郎が部屋に入ります。
クラスの皆「サプラーイズ! 次郎くん、お誕生日、おめでとぉ!」
ヤマネの姪達が壇上に登場します。壇上には大きなまな板のようなものを載せた台が設置されています。
姪達「これから、次郎くんの国の伝統のお菓子づくりに挑戦しまーす」
皆は歓声を上げます。次郎はびっくりしたのか、いつもより丸まり気味です。しかし、うろこの陰から覗く目はキラキラしているようです。
ウェンズディが中央に出ます。板の上に用意していた生地を広げます。そして、折りたたんでいきます。相棒のサタディが包丁を使って真っ直ぐに切ります。
サタディ「わたしたちの作ったのは!」
ウェンズディ「ヒトデ!」ウェンズディが切った生地を広げると、まな板の上にヒトデの形が現われました。次郎がにっこりし、部屋には「おーっ」と驚きの声とともに拍手が起こります。生地は、お皿の上にいったん移され、そこに、サンディが素早く果実のトッピングを並べていきます。ピザと同じように、生地と一緒に焼くのです。
次は、サーズディたちが、次郎の国の伝承から見つけたネタを披露する番です。サーズディが登場し、新しい生地を折りたたみます。やおらマンディが包丁を手にまな板に近づき、観客たちの中に居る次郎に一礼し、スーっと端から端まで切りました。サーズディが生地を広げて皆に見えるようにします。
サーズディ「ツチノコ!」
二人に奇妙なチグハグサがあったからか、それとも、出来た形が面白かったのか、次郎はクスクス笑っています。ツチノコを知らず、きょろきょろしている子も多いようです。
そして、最後のクライマックスの時がやってきました。舞台脇で、ウェンズディが、フライディにたくさんの線が描かれたメモを見せています。フライディはしばらくじっと見て、ウエンズディとささやき合い、頷きます。フライディが新しい生地をくるくると円盤のように回転させながら颯爽と舞台に上がり、板に置きます。
フライディ「てい、てい、てい!」
かけ声と共に、尻尾も使いながら、生地を器用に折っていきます。手が3本あるかのようです。「やっ!」最後に脇に控えていたチューズディが包丁を一閃させると、重なった生地がスパッと切断されました。うわさによると、チューズディは、以前、居合抜きの教室に通っていたこともあるらしいです。まな板は大丈夫なのでしょうか。フライディが切ったものを広げると、どこかで見たことのあるシルエットが現われました。次郎は怪訝な顔をしていますが、姪達や他の子ども達には分るらしく、教室に歓声が広がります。
その後、生地はどうなったのでしょうか? 実習室のオーブンを使って、ふっくら焼き上げて、皆でおいしくいただいたそうです。次郎は囲まれて、ニコニコしていたそうです。次郎と姪達は仲良くなれたのか? それは、いずれ分ることでしょう。
問:さて、問題です。ヤマネの姪達は、どのように、それぞれの形を作ったのでしょうか? お菓子作りに挑戦してみて下さい。しかし、材料が手に入らないので、紙を生地に見立てて、気分だけ味わってみましょう。紙(折り紙など)を全体が平らになるように折り、ハサミを使って1回だけ切ります。折り目が曲線になることはありません。この方法で、姪達が作った「ヒトデ」「ツチノコ」「ヤマネ」を再現して下さい。 後のものほど、高難易度の問題になります。
回答解禁:9月16日(土)午後7時、それ以前にも、煙巻き・質問など歓迎します。
回答方法:好みの方法。折り目の位置を絵に描いて貰うのが他の人に伝わりやすいと思います(山折りを赤線、谷折りを青線で描いて下さい;手書きのときは、山折りを実線、谷折りを点線でも可)。絵を描くのは大変かもしれないので、出来たという自己申告だけでも構いません。写真に撮る方法もありそうです。全部解けなくても回答できます。
形状をプリントアウトして使いたい場合には、以下の画像を使って下さい:
お菓子の型
ヒトデ
ツチノコ
ヤマネ
改訂:誤字訂正
改訂:「ツチノコ」の型画像の異状を修正しました。本編を推敲しました。
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先頭記事が更新されました。
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投稿ができないとの報告がありました。また、同時に質問を受けましたので、ここでもお答えしておきます:
■トピックの題名
ホームシック・アルマジロ■本文
折ったり切ったりする前の生地の形は正方形とは限らずに任意なのでしょうか?で投稿したく思いましたが
「そのようなトピックは存在しません」旨でエラーになります……生地の形は、正方形と限定する必要はありませんが、自分で好きな形を選ぶことはできません。正方形と限定して考えてもらっても構いません。
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@ソム さん
面白そうです。でも現在ある理由で頭が解析化いたしておりますので、(^▽^)/
アイディアがアイディアが(;''∀'')。
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@ソム さん
姉夫婦から上海自然史博物館のお土産で「アイルランドヘラジカメモ帳」をもらいまして(グールドのエッセイのヘラジカだ!と興奮しました)、丁度正方形で物凄く枚数があるので、これ幸いと色々チョキチョキ試しております。星形は甥姪と一緒 に本日「出来た!」とハイファイブです。甥姪「後はよろしく、おじさん解けたら教えて」だそうであと2問は目下悪戦苦闘中です。
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@フムフム さん
なんと嬉しい報告でしょうか! リアル甥姪さんも参加とは!!! 楽しんで貰えて良かったです。問2はまだそれほど難しくないですが、問3は難しいですよ~。いま私は手元に1つだけ解を持っていますが、みなさんの別解に期待しています。
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@riffraff さんが発言 :
でも現在ある理由で頭が解析化いたしておりますので、(^▽^)/
(^▽^)/←この手は何でしょうか? まさか、バイバイということはないでしょうね(笑
フライディ「てい、てい、てい!」
チューズディ「やっ!」 シャキーン!
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@ソム さん セヴンディズちゃん
毛頭そのような、滅相もない。(;''∀'') 頑張ります。
さもあらばあれ、慣れ親しんでいるにも拘わらず、淵源に帰って説明しようとすると殊の外苦労。
と言う楽しみを久しぶりに味わっております。(^^♪
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煙幕
作りかけのジョルダン曲線でも ズバリと一直線に両断すれば
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昨晩は印刷だけしておこうと思っていたのに、ついつい折り紙を始めてしまいました。
お蔭で寝不足です。
ヤマネ、難しいです(>_<)。
頑張ります!
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@ソム さん
まだ、現物の"折り紙"は使わずに、脳内で温めているだけですが。「ヒトデ」は、こうすれば良いのじゃないかしら?と直感が囁いているのですが、そんなに簡単なわけがないというネガティブ感覚が否定してきていて困っています。
手近にある紙を使えば良いのですけどね・・・。
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参加してもらえ嬉しいです。折り紙をするのも、直感も、両方大切な気がします。ヒトデとツチノコあたりは、はなさんの直感パワーで行けそうな気もします。しかし、ヤマネの形になると、いきなりは難しそうです。まずは単なる長方形の場合を考えて見た方がいいかもしれません。それから、実際に紙にヤマネの形を描いて(*)、外形線のいろいろな部分を互いに重ねるように、やわやわと折り曲げてみるのも効果があると思います。だんだん紙の上に折り方が見えて来るかもしれません。このとき、外形を紙の裏面からもトレースしておくと分かりやすいかもしれません。
*註:添付の型をプリントアウトするのが正確ですが、形が正確でないと解がなくなるというわけではありません。だいたいの形でも試行錯誤には問題ありません
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@はな さん
おひさしぶりです、ようやく少し秋らしくなってきましたね。
折り目を考えて切るラインを想像する考え方と、切り出したものを折りたたみながら一直線に切れるラインを確かめる考え方と、どっちがいいのかなーと私もいまだ問2から先に進めていません。秋の夜長、のんびり楽しみましょうぞ。
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@フムフム さん
気持ちの良い風ですね~。
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解禁間近ですね。Come on!