過去の出題:28.サーズディの家出


  • Global Moderator

    私のオリジナルです。イラストにも手掛かりが隠されている問題です。以下のような前書きを付けました。


    ここしばらく、幾何・数理系の問題が続きました。次は、それらとは頭の違った部分を使う問題です。想像力と推理力を必要とします。想像をふくらませるうちに、頭のこりがほぐされると思います。出題者の想定した答がありますが、数学ではないので曖昧さが残ると思います。しかし、できるだけ多くの手掛かりの意味を解いて、サーズディを見つけて下さい。より面白い回答というのあっても、間違った回答はありえない問題です。皆様のご参加をお待ちします。回答もできればお話風にしてもらえると嬉しいですが、一言で済まして貰っても構いません。


    ヤマネおじさんは困っていた。サーズディが家に帰ってこないのだ。夕食は姪達が揃って食べることになっている。それが、ヤマネ家の暗黙の決まりになっていた。しかし、今日はその時間になってもサーズディが現われない。夕食の時間になっても帰ってこないのは初めてのことだ。姪たちの誰もどこに居るのか知らないらしい。

    マンディ(長女)やチューズディ(次女)をはじめ、ヤマネ家の姪達にはしっかり者が揃っている。いまは外国で活躍している兄の血を引いたのかもしれない。昔は皆よく似ていてあまり区別が付かなかったが、最近は姪たちのそれぞれに得意なことや興味があるようだ。しかし、ヤマネには、サーズディだけは、何を考えているのかよく分からないところがあった。姪達が集まっていても、気づかないうちに、ふらっとどこかへ行ってしまうことがある。兄と違っていまだふらふらしている自分と同じ血が流れていることを感じるのだ。いつか、ふっといなくなってしまうのではとの漠然とした不安があった。それが現実になったように感じる。

    サーズディはいつも何かに夢中になっている。紙細工をしたり、絵を書いたり、配線を繋いだり、ヘンテコなものを作っているのだ。さっきサーズディの部屋を覗いてきたが、机の上には、相変わらず、よく分からないものがいくつも載っていた。

    サーズディ抜きの夕食を済ませたあと、ヤマネはマンディだけを部屋に呼んで話を聞いた。他の姪には、心配しないようにと言ってある。しかし、一番心配しているのは自分なのかもしれない。こういう場合にはマンディが頼りになる。マンディは小さいころから両親に「お姉さん」と言われ続けたためか、たいへん世話好きな子に育っていた。実際には妹たちとほとんど歳は変わらないのであるが。もともと姐御肌のところもあるのかもしれない。最近では、母親が愛読していた本に触発されたのか、妙な格好をして強面風である。しかし、妹たちのことによく気を配っていて、裏でどの子が何をしているか、よく知っている。

    マンディのおかげで、サーズディの最近の行動について、いくつか知ることが出来た。まず、チューズディから聞いたという情報。チューズディが超級市場にいつもの買い出しに行ったときに、サーズディが、普段姪達の行かない裏路地へ入っていくのを見かけたという。いったいどこへ行ったのだろうか。裏路地にもいくつか店があったようだが、ヤマネはよく知らない。それから、サタディ情報。道場からの帰り道、サーズディを見かけたという。畑のそばの道をとぼとぼ歩いていて、どこへ行くのか気になったという。山のほうへは、あまりヤマネたちは近づかない。それから、ウェンズディの話。サーズディは最近よくイカリじいさんの家に出かけていたらしい。

    イカリじいさんは、内陸部にあるヤマネ国には珍しく、若い頃船乗りをしていたらしい。人間という巨大な生き物とたくさんの航海をしたという。人間の言葉を勉強し話せるようになり、様々な国の人間からいろいろな話を聞いたそうだ。そもそもイカリじいさんには、歴史・伝説好きのチューズディが、話を聞きに行くことを始めた。物語を書くための取材である。サーズディは挿絵を担当するために付いていって、二人は合作で「マゼラン・ストーリーズ」という本を出すことになった。マゼランというのは、海の向こうの国にいる人間の船乗りらしい。イカリじいさんの言うことは大げさで、聞いたことのない奇妙なものが出てくるので、皆ほら吹きと思ってあまり信じていないのだが。

    本が無事出版された後も、サーズディは一人でイカリじいさん宅へ話を聞きに行くことがあった。一時期ほどではないが、最近もよく出かけていたようだ。話がよほど気に入ったのだろうか。

    いまヤマネは電話の前に居る。イカリじいさんをはじめ、近所のたくさんの親戚達に、サーズディが来ていないか電話をかけたのだ。超級市場で店をやっている幼なじみにも電話した。今日だけで一年分の電話をかけたかもしれないと思う。サーズディを見かけた者は見付からなかった。しかし、見つけたら引き留めて、直ぐに知らせてくれと伝えている。さきほどからずっと待っているが、電話は鳴らない。外はもう暗くなっている。サーズディが明日になっても戻ってこないなら、ヤマネ警察署や、外国に居る兄たちにも連絡する必要が出てくるだろう。

    いったいサーズディはどこへ行ってしまったのだろう。人通りの少ない場所を歩いていて、さらわれたりしたということはないだろうか。それとも、まさか、家出してしまったのだろうか。夜でも暖かい季節になってきたので野宿をしても大丈夫とは思う。しかし、心配だ。

    ヤマネは夢を見ていた。夢の中で、サーズディが大きな船に乗っていた。船乗りの見習い服を着て、甲板を走り回っている。船がどこの海を航行しているのかは分からない。しかし、ヤマネには、もう二度と彼女に会うことが出来ないことだけは分かるのだ。嵐がやって来る。暗闇が迫り、雷とともに激しい雨風が船に襲いかかる。船員たちが次々と波にさらわれてしまう。サーズディの小さな姿が見えたようにも思う。船は激しく上下しながら揺れ、天地が逆さまになる。

    ヤマネは、気がつくと椅子から転げ落ちていた。いつの間にか眠ってしまっていたようだ。窓から見える外はもう真っ暗だ。一眠りしたためか、妙に頭が冴えている。急いでサーズディの部屋を覗いたが、電気をつけてもがらんとしている。サーズディは戻っていないようだ。他の姪達は自室に居るようだ。家はしんとしている。また机の上に目がいく。

    問題イラスト

    平たい石のようなものがある。これは、黒石・銀石の伝説に関係するのだろうか。そういえば、サーズディたちが、タチバナさまに昔話を聞いたと言っていたような気がする。一時期は、サーズディはその話ばかりしていたので、ヤマネもよく知っていた。その下の紙きれには、石を並べたような絵がある。そばの皿の中には、ヤマネのよく知らないものが入っていた。何かの部品のように見える。それから、作りかけとおぼしき奇妙な形のものがそばにあった。

    ***

    問:サーズディの居場所を見つけてください。

    文章とイラストに含まれる手掛かりから、ストーリーを推理する問題です。これまでのヤマネ世界のお話も参考にはなりますが、それらを知らなくても、今回の文章とイラストと一般教養から解くことが可能なはずです。


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