通り抜けるサーズディ


  • Global Moderator

    ヤマネはドングリ公園への道を急いでいた。公園内にある、ヤマネ・現代アート・ミュージアム(MoCya)に向かうためである。

    この前の秋祭りで親戚が集まったときに、兄嫁の弟であるノックス君に会った。ノックス君は、いやに上目遣いで、「義兄さん、最近、MoCyaに来てくれないんですね...」と言う。彼はミュージアムの学芸員なのだ。それ以来、姪達をだしにミュージアムに行くチャンスをうかがってきた。しかし、姪達もなにかと忙しい。マンディは、近々兄たち両親が一時帰国するとのことで、何か企画しているらしく、奔走している。他の姪達もかり出されていることが多い。サンディは美術に興味があるようだが、最近は球根の栽培に妙に凝りだした。市場でやっている「球根教室」というものに通っているらしい。となると、あとは、サーズディがミュージアムの常連だが、誘おうと思うと、いつのまにか姿が消えている。

    今朝は妙に寝覚めが悪かった。夢の中でノックス君に会ったように思った。あの上目遣いが出てきたように思うのだ。ヤマネはこれはマズイと思い、独りでも行くしかないと家を出た。公園の丘を登っていくと、ミュージアムの建物が見えてきた。ミュージアムには3つも入り口があり、初めて来た人は迷うことが多い。これは建物を造った建築家の趣味なのだと思うが、ぐるぐる階段を昇ったり下がったりして建物の中に入る入り口もある。どの入り口からも入れるのだが、どれが正しいかと思って、かえって迷うことになるのかもしれない。

    ヤマネは一番近い入り口に向かって歩いていった。すると、側方にある入り口のぐるぐる階段のほうに、見慣れたヘルメットの色が見えた。あれは、サーズディではないか? ミュージアムのほうに入っていく。遠目なのではっきりとしないが、たぶんそうだ。サーズディは、芸術家クサマ・タローからプレゼントを貰って以来(「クサマ氏からの贈り物」)、ちょくちょく手紙のやりとりをしているようだ。MoCyaの常設展示には、クサマの作品も多い。サーズディは、ミュージアムにしょっちゅう出かけているようだ。これなら一緒に来ればよかったとヤマネは思ったが、中で出会うだろうと楽観的に考えた。

    ヤマネは久々にミュージアムを堪能した。ちょうど「モグラ美術」特別展をやっており、普段はあまり目にすることのできないモグラたちの美術や、ヤマネ文化との相互作用を知ることができた。ノックス君にも、サーズディにも出会わなかった。正確には、サーズディを見たようには思う。ヤマネがぼーっと窓からミュージアムの外を見ていると、もう一つの入り口のほうから、サーズディらしき姿が出て行くのが見えた。こちらには気づいていないようだ。なぜか軍手のような白い手袋をしていた。ヤマネは特に気にしないことにして、すぐに忘れた。ヤマネは併設のレストランで昼をすまし、午後は、常設展を見て帰ることにした。

    ノックス君 「あっ、義兄さん!」

    昼食後、ちょうど通路をノックス君がやってくるところに出会った。ヤマネはにっこりし、挨拶をしようとしたが、ノックス君が遮る。「いいところに来てくれました、こっち来て下さい」とひっぱっていく。

    ノックス君 「おかしなことが起こったんです。さっき、見回っていて気がつきました」

    挨拶どころか、何の説明もなく、ある展示物の前に連れて行かれる。ヤマネはなんとなく見た記憶があった。クサマ氏の作品「通り抜けII」だ。

    ヤマネ 「これがどうしたんだい?」

    「通り抜けII」は、複数の金属板を針金のようなもので繋いで作った平面作品だ。壁に掛けてある。それぞれの金属板には色が付いていて、メタリックな輝きを放っている。

    ノックス君 「気づきませんか?」
    ヤマネ 「べつに。こういうもんじゃないの?」

    ノックス君は渋い顔をして、今度は離れた壁際にある椅子のほうにヤマネをひっぱっていく。

    ノックス君 「ここにミュージアムの所蔵目録の見本があります。見て下さい」

    ヤマネがノックス君の突き出してきた本のページを見ると、「通り抜けII」の写真が載っていた。どことなく、さきほど見たものと違う。

    ノックス君 「気づきませんか?」
    ヤマネ 「うーん、違うのかなあ」
    ノックス君 「義兄さん、しっかりしてください、全然違うじゃないですか。ここのところ」

    ヤマネがもう一度、展示のほうに戻ってよく見ると、確かに違うようだ。全体の形が違う。そして、よく考えて、どこが違うのか理解することが出来た。一番大きな金属板で出来た部分は8角形をしている。この部分の位置が違っているようだ。目録の写真では、下に垂れ下がった位置にある。その部分が今は、他の金属板で作られた四角いフレームの中央を一度通ってから、顔を出す形になっていた。

    ヤマネ 「違うねえ。ずれちゃったのかなあ」
    ノックス君 「そんな簡単な話じゃないと思います」

    このセクションの見回りの者の説明によるとこうだったらしい。今朝、椅子に座って見ていたときは、確かに見慣れた目録の形をしていた。しかし、ちょっとのあいだ別の場所を回って椅子に戻ると、形が変わっていたと。

    ノックス君 「この作品は、金属板で出来てます。曲げたりは簡単にはできません。確かに、糸で繋いだところがありますから、そこはよく曲がります。でも、問題のこの大きな部分は一枚の板で出来ていて、曲げられません。頑丈でタワみもしません。穴を通すことはできませんよ。もちろん、金属板同士を一旦ばらして繋ぎ直せばよいですが、道具はここにはありませんし、短時間では無理です。全く不思議です」

    ***

    さて、ヤマネがノックス君からの尊敬を失わないために、この謎を解いて下さい。誰がやったのか?それは賢明な皆さんならもうお分かりでしょう。いま問題にしているのは、どうやったか?です。

    :「通り抜けII」を、図の①の状態から②の状態に、全体をばらすことなく変える方法を示して下さい。
    回答:解禁9月30日

    0_1537590990649_Harry-Eng-puzzle-01.png


  • System

    先頭記事が更新されました。



  • @ソム さん
    ふむ お歌が書けそうです。!(^^)!



  • 後二日
    To every thing there is a season, and a time to every purpose under the heaven:謎



  • @riffraff さん
    Turn! Turn! Turn!
    遅ればせながらプリントアウトして折り紙と格闘してみます!
    いまのところ皆目わかりません!





  • おはようございます。

    イエローカード??

    何やら熱心にオブジェを調べていたヤマネの叔父さんは、やおら天眼鏡を取り出した。(叔父さんは小さいころから探偵小説<古い!!>のファンでヤマネ少年探偵団の一員<お味噌:怪盗役をやって遊んでくれた火車さん談>として活躍していた時代がありました。ウェンズディちゃん達に誕生日プレゼントとしてお揃いの天眼鏡をくばったのも叔父さんです。)
    天眼鏡でノックスさんの顔を覗き込むようにして
    「ノックスさん、下の赤い板とその両脇の緑の板を繋ぐ金属糸がそれぞれ1本なのに気づいていましたか?そして後の板と板を繋ぐ金属糸は2本であることに。」
    「いいえ。」ノックスさんは天眼鏡を借りるとじっくりとチェックしました。
    チェックが終わると二人は頷き、ByrdsのTurn! Turn! Turn!を一緒に歌い始めました。
    歌い終わると二人は、タイトルからみて現在の姿の方が正しいと思いました。そして多分クサマ・タローさんからサーズディちゃんにメールで連絡があったのだろうと。
    家に帰った叔父さんはサーズディちゃんにメールを見せてもらいました。
    「二回まわし(一回転)八角残し壁ピッタリ:以上の手順でサーズディちゃん宜しくお願いします。クサマ・タロー」

    アクロイドよりはフェアプレイだと思うのですが。!(^^)!


  • Global Moderator

    @riffraff さん
    失礼、落し物ですよ。

    0_1538264853707_yamane-83.png

    以下の場合についても考えて下さい

    ヤマネ 「下の赤い板とその両脇の緑の板を繋ぐ金属糸がそれぞれ1本なのに気づいていましたか?」
    ノックス君 「下辺の赤い板だけ回転させたというわけですか!? ちょっと試してみましょう」

    作品を傷付けないように、懐から出した手袋をはめると、ノックス君はそっと作品に触れる。

    ノックス君 「義兄さん、そんな単純ではないですよ。まず糸はたくさん繋がっています。天眼鏡で拡大しすぎたんじゃないですか? この板だけ回転させることはできませんね。そもそも強度の問題もありますし、捻れちゃいます。下の金属版の重みで、回転して元に戻っちゃいそうですし」



  • 初めは、ブルーのプレートが薄いので、左右のピンクのプレートと下の緑のプレとの狭い隙間を、前回りをするようにしてすり抜けることが出来るかもと考えたのですが、頑丈でタワみもしないのならば、少し無理があるかなと思ったので、
    「左右のピンクと上下の緑のプレートは、外側で糸で繋いである構造で、ピンクのプレートは扉のように左右に開くことが出来る」と考えました。

    1.0_1538302436704_IMG_4597@.jpg
    2.ピンクの扉を左右に開く
    0_1538302460722_IMG_4598@.jpg
    3.ブルーと黄色のプレートの境を折り曲げる
    0_1538302484981_IMG_4599@.jpg
    4.ぐるりと前回り
    0_1538302505870_IMG_4600@.jpg
    5.ピンクの扉を閉じる
    0_1538302525327_IMG_4603@.jpg



  • 一発レッド?

    0_1538302518497_オブジェ - コピー.png
    緑の正方形とピンクの長方形の接する辺を、図のように黒い太線は谷折り黄色の太線は山折りにすることで、点A,B,Cが一直線上に並ぶ形にでき、点Aと点Cを結ぶ線の長さが、ピンクの長方形の長辺の2倍にまで広がり、青い八角形を通過させることができます。
    ただし、青い八角形は赤丸の部分で折り曲げ、回転可能であることが条件です。

    最初はそれぞれのプレートを貝殻の風鈴のように各辺1点で糸で繋ぎ、すべて回転可能にしてみたところ、通り抜けは非常に簡単になりましたが、ぶら下げた状態で形を維持するが難しいので、どうしても回転しないと通り抜けが難しい八角形の1点にしぼり、あとは辺の折り曲げだけを利用してやってみました。



  • :@ソム さん

    ショッカーモード

    ①糸の繋ぎ方については記載がありません。リンク結合を想定
    ②初期の設置が間違っていて捻じれて設置されていた。
     i.e.❶初期の捻じれは板の重さと反発方向が壁向きの為回転不発
    ❷今回は本来の位置に戻り捻じれ解消
    ③ふとカタログ写真をみて,上記捻じれが心配なったけれど、忙しくて手が離せないクサマ・タローさんはサーズディちゃんにメールで依頼した。
    <追記>暫くこの線で粘ってみます。(;'∀')!(^^)! 19:50


  • Global Moderator

    @オメガ3 さん

    0_1538303753727_yamane-85.png
    ここにも落ちています。どなたのですか?

    Re: 案

    ノックス君 「左右の赤い板だけ少し回転できるというわけですか!? ちょっと試してみましょう」

    作品を傷付けないように、懐から出した手袋をはめると、ノックス君はそっと作品に触れる。

    ノックス君 「義兄さん、そんな単純ではないですよ。まず糸はたくさん繋がっています。この板だけ周囲の板から都合良く動かすことはできませんね。そもそも糸が一本だったら、強度の問題もありますし、展示中に歪んじゃいませんかね」


  • Global Moderator

    @マーモセット さん

    0_1538303938183_yamane-86.png
    。。。

    Re: 一発レッド?

    ノックス君 「一番大きな板がネジれ回転できるというわけですか!? ちょっと試してみましょう」

    作品を傷付けないように、懐から出した手袋をはめると、ノックス君はそっと作品に触れる。

    ノックス君 「義兄さん、そんな単純ではないですよ。まず糸はたくさん繋がっています。そんな器用な動きをさせることはできませんね。そもそも糸が一本だったら、強度の問題もありますよ」


  • Global Moderator

    @riffraff さん
    @オメガ3 さん
    @マーモセット さん

    参加ありがとうございます。条件設定不足の点については、以下のような解を考えてみてください。

    ヒント
    • 糸の張り方について問題には書かれていませんが、解は糸の状態によりません。
    • @フムフム さんが書かれたように、折り紙の問題です。


  • @ソム さん フム
    ライダーモードへの道へと更生いたします。<遠い目>


  • Global Moderator

    このパズルの出典については、いずれお話したいと思います。

    私は自分で解いた後に、しばらくして、あることに気づいて、えっ!というような衝撃を覚えました。
    私が思うに、このパズルには、ミスディレクションがあります。2つあると思います。
    大きな1つと、それを支えるもう1つです。
    オリジナルのパズルにあるそれらにお話を付けて、効果を増幅させたつもりです。
    あまり書くと楽しみを損ねるかもしれませんので、これくらいにします。



  • @ソム さん

    厚紙で

    用紙ではなく厚紙で作品を作り、プレートの繋ぎ目を折り目にして、折り紙をしてみました。ブルーのプレートの角の取れ具合が絶妙で、あれこれしているうちに、中央の穴を潜り抜けてしまいました!
    出来たと言えばできたのですが、どうやって?と言われると、、、でも知恵の輪がスルっと抜けたような気持ちよさがありました。
    10_1538373854377_IMG_4606@.jpg 20_1538373882166_IMG_4607@.jpg 30_1538373897674_IMG_4608@.jpg 40_1538373979276_IMG_4609@.jpg 50_1538374129953_IMG_4610@.jpg 60_1538374143181_IMG_4611@.jpg



  • これもキタコレでしょうか???

    ライダーモードnovice

    某ブログを読んでいて立体交差と言う言葉でピコーン!(溜池さんちですが、ROM専(^^♪))
    ひょっとして立体幾何問題(;'∀'):
    計算むずいです。どうやってやろうかしらん。???



  • 隠し球

    回転(ねじリ)が不可となったので
    ・ 青い八角形と黄色長方形の接する辺
    ・ 黄色の長方形と紫の長方形の長辺
    ・ 紫の長方形と接するピンクの長方形の長辺
    これらがすべて平行(空間上においても)を保ちながら八角形の金属板を上のフレームを通過させる 
    ということですよね。

    回転の回答を得る前にも、さんざん試して、どうしてもひずみができてしまって挫折した課題だったので、現在途方に暮れています。
    こうなったら隠し玉!!
    最初の形の八角形の金属板の裏側に紫の長方形と黄色の長方形がもう1枚ずつ隠れていて、八角形の金属板を裏側に折りたたんで隠れていた黄色と紫の長方形を表に折り返す!!!
    (。_°)☆O=(--メ)q パーンチ



  • @riffraff 自己レス

    トロンプルイユ

    エッシャーの階段
    ホルバイン風引き伸ばし?


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